今日のこと 忘れないように きろく。レンゲ
「 弔いの日〜貝殻を拾う少女のお話〜」
君は何度も何度も
しゃがみ込んで貝を拾う少女
それは脆く砕けそうな
ぼくたちの最期のお願いだった
そしてずっと青い霧の中を
手探りで歩き続けていた
そこは何も見えない
だけど手に触れたものだけは信じられた
どこにも行けないまま
もう時間だね
とうとう君は疲れ果てて
途方に暮れて手を広げたの
ぼくは肩を下ろす君の温かい眼差しに
「ありがとう」と言った
「さよなら」