2025年8月15日金曜日

弔いの日〜貝殻を拾う少女のお話〜

「 弔いの日〜貝殻を拾う少女のお話〜」


君は何度も何度も

しゃがみ込んで貝を拾う少女

それは脆く砕けそうな

ぼくたちの最期のお願いだった

そしてずっと青い霧の中を

手探りで歩き続けていた

そこは何も見えない

だけど手に触れたものだけは信じられた

どこにも行けないまま

もう時間だね

とうとう君は疲れ果てて

途方に暮れて手を広げたの

ぼくは肩を下ろす君の温かい眼差しに

「ありがとう」と言った

「さよなら」