2025年8月15日金曜日

雪の朝

 「雪の朝」


「ねえ、雪が舞っているよ」

と外に飛び出す

二月の朝小さな手で泥混じりの雪を

手にいっぱいいっぱいすくっていたね

空に向かって手招きする

そんな真剣な目で

「ねえ、ここは南風が吹く村だから

仕方ないよね

白い太陽はいつも舟に乗ってやってきて

君をさらってさらってしまうから」

遠くを見ては夢を見る

そんな寂しげな目で

振り向きもせず待つ背中は

おとなびていたよね

いつか見せてあげたい

声も出ないくらい眩しい

一面一色の白く輝く雪を