今日のこと 忘れないように きろく。レンゲ
「雪の朝」
「ねえ、雪が舞っているよ」
と外に飛び出す
二月の朝小さな手で泥混じりの雪を
手にいっぱいいっぱいすくっていたね
空に向かって手招きする
そんな真剣な目で
「ねえ、ここは南風が吹く村だから
仕方ないよね
白い太陽はいつも舟に乗ってやってきて
君をさらってさらってしまうから」
遠くを見ては夢を見る
そんな寂しげな目で
振り向きもせず待つ背中は
おとなびていたよね
いつか見せてあげたい
声も出ないくらい眩しい
一面一色の白く輝く雪を