2015年11月19日木曜日

ドクダミの薫りの庭



3年前、私にとってすごくショックなことがあったんです。

突然、実家の庭がコンクリートになった事件。

私はこのことがショックで暫く引きずっていました。なんの断りもなく芝生の庭がなくなってしまったから。

写真くらい残して欲しかったんですが、親があっさりしているせいで、思い出とか全く残してくれません。
私が18で家を出るときに、私物は捨てるか、持って行ってと言われて、ほとんどの物は捨て、荷造りをして「私の思い出」と書いておいたたった一つのダンボールの荷物も何年か前に、邪魔だから捨ててほしいと言われて中のほとんどを捨てました。
何せ、とっておいたのは謎の土器と彫刻など、自分がつくったガラクタだったので、流石にもう捨てました。

私のものは実家にほぼきっと残っていませんね。


庭の話に戻します。


十何年ぶりか、歌の中でドクダミのことを思い出したので、ここ最近はずっとドクダミが気になっていました。


私の小さい頃畳の部屋から望めた庭のドクダミ。
芝生の庭の奥には、梅の木、柿の木、ブルーベリーの木、横には木製のフェンスに巻きついたツル、庭を囲うスイセンが見えました。
奥の木の影にはドクダミがたくさん咲いていました。



それでこの間、久々に家に帰ったときに、ふと母に聞いてみたんです。


「昔、庭にドクダミたくさん咲いてたよね。あれ、もういないの?」


すると母は、
「咲いてたね。あるよ、まだ隙間からぴょんとでて来ちゃってさ。」
と言って、私はなんだかとてつもなく嬉しくて夜な夜な外に見にいったら、やっぱりドクダミがいました。


たくまし気にコンクリートと側溝の隙間から伸び、葉が顔を出していました。

あの匂いだ。
と鼻をついた途端、懐かしさが湧きました。


ドクダミがいた。
それだけでなぜだか嬉しい発見でした。


ひとりぼっちのドクダミはさほど悪臭ではなかったです。


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