「静かな果ての小さな鳥」
小さい頃描いた小鳥の絵は
口が小さくて青い翼広げて
僕の街の静けさに不思議ねって
歌を歌ってきた
さいごの日の夜君は眠れずに
古くなったうちの前で
変わっていく街を眺めていたら
すると灯りが見えてきたの
さめない夢を見ているのかな
君は僕が描いた小鳥さ
君はこの街を出る日の夜を見つめていた
何の意味も無い空のはずなのに
君はいろんなことを予想して
不確かなことでも怯えながらも
夢を見ていた
この街を出る日
今にも泣きそうな
黒くなっていく空を見て
変わっていくものを見つめていたら
すると雲が動き出したの
光が差すかもしれないな
海も越えられるかもしれないな
今まだ夢を見てるのかな
きみはぼくが描いたぼくみたい
きみは光の中で
まだ何も知らないでいる
何も知らないでいる
-静かな果ての静かな丘-
ここは星屑か街の灯りか見分けがつかないほど果てだから
ときどき道に迷ってしまう
道しるべを作るには
とびきり明るい
レモンの木を植えること
もしくはたくさんの夢をみること
夢は見れば見るほどに
街に灯りが一つ灯るんだって
そんな言い伝えを信じて
せっせと種を植えては
せっせと水を運び
汐風とともに眠る
それはそれはあたたかくて柔らかい時間だった
何日も、何年も
夢を見ては繰り返す
いつしか
灯りは都会の街ほどになっていた
気づけば私も
その中で一つの灯りになっていた
言葉を持たない
満月に集う灯りたち
儚いものは
埋もれてしまうことを知っているから
みんなで手を繋ぐ
小さくて弱くて
優しい世界がそこにはあった
ふと空を見上げて
街灯の向こうで
ひっそりと瞬く星々を見た
私は指でゆっくり空をなぞり星たちを繋いだ
ね、みんなおんなじ
わたしも、きみも
そう、いつかの記憶
きみは星屑のような目をして
そこから街を眺めていたよね
まばゆくも柔らかい
光の中で
まだ何も知らない
光の中で
夢の中で