そこに当たり前のようにあると、
空気みたいに馴染んでしまって、まるで主張がなくて、気にも留めようとも思わなくなる。
でも、それはあるもので、
生きた証拠。
透明になりかけたものには、少しの優しさが必要で、
見え隠れする、それらを、じっと見つめてみたときの違和感さえも、
恥ずかしめることなく受け入れたい。
いつからか、キッチンの窓辺に置かれてしまった空き瓶。
それに気づくとき。
香ばしい焼きたてのパンに、その小さな瓶にスプーンを落とし、ハチミツをすくって、丁寧に垂らしたことを思い出す。
そんな幸せな時間を味わったことを。大切にしたい。
時々、微笑みながら思い出したいものです。