あした、かえる

「あした、かえる」

まあるい石を

一つだけ

手にとって

手の平の中で

暫く転がすの

明日、帰る

心配ないよ

黄色い稲穂が揺れて

まるで朝の海だ

綺麗なんて紙に書いて

置いておこう

向かい合って

暫く付き合って

大きな影の渦の端が見えるよ

すぐに行っちゃうよ

明日、晴れる

心配ないよ

舞い込んでくる風

話の流れだよ

見えない場所まで

行けばいいな