近頃の寒さのせいで、幼い頃感じたことのある極寒の記憶が蘇ってきた。
私は秋田に生まれ、幼少期の記憶といったら、冬の銀世界が一つ脳裏に浮かび上がる。
その中のまた、一つの記憶
秋田にある母親の実家は、平屋一戸建てで、祖父祖母と母の弟が住んでいた。
弟の名前はケイといって、私がそのとき通信教材の英語を学習していたからか、母親に英語の「K」だよと言われ。随分長い間その認識でいたことを覚えている。
《Kと言う人が住んでいる》
Kは東北なまりの方言で、何語を話しているのかちんぷんかんぷんだった。また、見た目も細身で背が高く、癖毛の強い長い髪をしたKを、当時の私は本当の外人だと思っていた。
Kは当時まだ20代だったと思う。
時々、Kの部屋を訪問することがあった。
彼の部屋は広くて週間雑誌や漫画本、ビデオ、パチンコ台、ゲーム機、カセットテープ、ゲームセンターで取ったようなオモチャ、通販で買った筋トレのマシン、タバコの匂いがあった。
その部屋では、なぜかシャム猫を飼っていて、専用の家まであって、だいたい敷きっぱなしのベッドの上の布団にゴロゴロといつも寝ていた。
私はその猫が怖かったような気がする。
とにかく、私にはその部屋は刺激的で少し怖くて、基地のようだった。
つまり、
秋田は外国だと勘違いしていた訳で。
という、他我も無い話でした。
風邪をこじらせて、冬入りをした。
今日この頃。